電力ひっ迫

電力ひっ迫がやばい!新電力の値上げ主要因

東京電力ホールディングスの送配電子会社にあたる東京電力パワーグリッド(PG)は東京で初雪が降った6日午後から7日午前にかけて他の電力会社から電力融通を受けた。強い冷え込みで暖房需要が増えた一方、降雪を伴う悪天候で太陽光発電の出力が下がり、電力需給がひっ迫した。昨年の1月には全国で需給バランスが崩れ、JPEXの電力スポットは同時期の20倍にまで高騰したのも記憶に新しい。これらが主要因となって新電力の値上げとなっている。電力需給の逼迫は日本の電力システムが潜在的に抱えるひずみがみえる。脱炭素に課題は山積みだ。

電力ひっ迫による電力融通

2050年カーボンフリーを目標とする政府、発電量の不安定な太陽光や風力などの再生可能エネルギーを導入し脱炭素を進める中で、電力の安定供給をどう確保するかが問われている。 東電PGは6日午後1時半~午後8時に最大192万キロワットの応援を得た。さらに6日午後8時~7日午前0時に最大276万キロワット、7日午前0時~午前9時に最大274万キロワットを調達。ほぼ一昼夜融通を受けた。

電力ひっ迫は予想していた

昨年5月には、資源エネルギー庁は今年度の電力需給の見通しを発表している。夏は電力がギリギリ確保できる見通し、冬はここ数年で最も厳しい状況としていた。

資源エネルギー庁では、電力の需要がピークの際に最低限必要な「予備率」は3%としている。冬の東京エリアに至っては「予備率」はマイナス0.2%と、ここ数年で最も厳しい見通しとなっていた。 再生可能エネルギーとして普及した太陽光発電が冬場はそれほど期待できないことや、火力発電所がここ数年で休止や廃止となり、電力の供給力が大幅に減少したためである。

電力ひっ迫の回避にむけて火力発電再開

東京電力管内では今冬の安定供給に向け、東電と中部電力が折半出資するJERA(ジェラ)が長期停止していた姉崎火力発電所5号機(千葉県)を今月4日に再稼働し、供給力の戦列に加えた。6日は管内の発電所で予期しない運転停止もなかった。それでも電力の供給力に対する消費量の割合を示す使用率は6日午後3時台に97%に達し、「非常に厳しい」を示した。 「どこか1カ所(の発電所)でも不具合が起きれば本当に停電が起きてしまうという状況だった」

電力ひっ迫にみる再生可能エネルギーの脆弱性

政府は脱炭素社会の実現に向け、太陽光や風力などの再生エネを主力電源化して最大限の導入を促す方針だ。ただ、再生エネは発電量が季節や天候に左右されコントロールが難しい。 東京電力管内では、冬場の晴天時には太陽光発電の出力が1000万キロワット(原子力発電所約10基分の出力に相当)を超える日もあが、曇や雪となった6-7日などは一日出力がほとんど出ない状態となる。つまり、晴天時には原発10基分が発電し、雪などの悪天候となれば、原発10基分の発電が失われる訳だ。電力会社はこの差をLNGなどの火力発電で調整しているのが現状。

電力ひっ迫から脱炭素へ向けた電力の安定供給システム構築を考える

脱炭素の潮流が加速する中で、電力の高需要期である冬や夏の安定供給に支障が生じないよう対応力を高めることが求められる。電力自由化がもたらす競争原理の導入による新電力の低価格化の恩恵ばかりに目が向いていたが、昨年の電力のひっ迫高騰から始まって、新電力会社の値上げや撤退が続き、今回も一歩間違えれば大規模停電を起こしたかもしれない日本の電力供給システムに不安を感じざるを得ない。脱炭素、自由化、安定供給。この3つの要素をコストを最小限にとどめながら同時に実現する道を探らねばならない。現時点では、決定的な解決策があるわけではなく、さまざまな対策の総動員が不可欠といえる。

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