原子力発電は成長産業

小型モジュール炉 SMR 

小型モジュール炉は2030年まで年平均成長率16%

2021年12月8日にREPORTOCEANが発行した新しいレポートによると、世界の小型モジュール炉(SMR)市場は、2022年から2030年までの予測期間中、年平均成長率16%で成長し、2030年には188億米ドルに達すると予測している。

小型原子炉とは

原子力は倍増。3億9,260万kW(2020年) → 7億9,200万kW(2050年)

国際原子力機関(IAEA)も2021年9月16日、世界中で利用されている原子炉の長期的な傾向を地域ごとに分析した最新の年次報告書、「2050年までのエネルギー、電力、原子力発電予測」の第41版の中で、妥当かつ技術的に実現可能な政策シナリオ「高ケース」で、世界の原子力発電設備容量は2020年末時点の3億9,260万kWから、2050年には7億9,200万kWに倍増すると予測している。

世界の原子力 倍増へ

カナダが小型モジュール炉を発注

日立製作所と米ゼネラル・エレクトリック(GE)の合弁会社、GE日立ニュークリア・エナジーが、カナダの電力会社から次世代原子炉「小型モジュール炉(SMR)」を受注したと発表した。「脱炭素エネルギー」として世界的に原発を再評価する動きが広がっており、日本企業も対応を急いでいる。

受注したのは、出力30万キロ・ワット級の沸騰水型SMR。出力を従来型の原発の3分の1以下に抑え、小型化した。カナダのオンタリオ州ダーリントンに建設し、2028年の稼働を目指す。同国初の商用小型モジュール炉SMRで、約30万世帯分の発電を行う計画だ。

構造の小型化と簡素化を両立させた小型モジュール炉SMRは、建設費を従来の原発の5分の1程度に抑えられるとされる。重大事故の場合でも、冷却水を自動的に循環させる仕組みで安全に停止させることができるという。

発注したオンタリオ・パワー・ジェネレーション(OPG)は22年中に、カナダの原子力規制当局に建設許可を申請する予定だ。ケン・ハートウィック最高経営責任者(CEO)は、原子力を「実証された(温室効果ガス)排出ゼロの基幹電源だ」と強調した。

世界的な脱炭素の流れを受け、発電時に温室効果ガスを排出しない原子力発電への関心は再び高まっている。OPGによると、米国や英国、ポーランド、エストニアなどがSMRの建設に関心を示しているほか、フランスのマクロン大統領は今年11月、原発の建設を再開すると公表した。

日本企業では、IHIと日揮ホールディングスが、SMRを開発する米新興企業ニュースケール・パワーに出資し、29年の稼働を目指している。GE日立は、米マイクロソフトの創業者ビル・ゲイツ氏が設立した新興企業と技術提携し、小型モジュール炉SMRとは異なる新型炉の建設も目指すという。

以下、GE日立のリリース(原文のまま)

GE日立・ニュクリアエナジー(以下、GEH)は、カナダ・オンタリオ・パワー・ジェネレーション社(以下、OPG)より、ダーリントン新原子力発電所プロジェクトのテクノロジーパートナーに選ばれました。GEHは、OPGと協力して、小型モジュール炉(以下、SMR)である「BWRX-300」をダーリントンに建設します。早ければ2028年に完成する予定です。

GEHの社長兼CEOであるジェイ・ワイルマンは「OPGにテクノロジーパートナーとして選ばれたことを感謝します。OPGはオンタリオ州の気候変動対策のリーダーであり、SMRの世界的リーダーになることをめざしています。」と述べています。

OPGの社長兼CEOであるケン・ハートヴィックは「原子力は、実績のあるゼロエミッションのベースロードエネルギー源であり、2040年までに企業としてのネットゼロを達成し、2050年までに経済全体の効率的な脱炭素化の触媒として機能できると確信しています。OPGは、業界をリードする技術パートナーであるGEHとともに、ダーリントンにSMRの革新的な技術を導入することで、カナダ、そして世界における次世代原子力発電の開発・導入の道を切り開いていきます」と述べています。

BWRX-300のような先進的な原子力技術は、GEのエネルギー移行におけるリーダーシップの重要な柱となっています。BWRX-300は、運転中に二酸化炭素を排出せず、建設・運転コストを大幅に削減できるように設計されています。また、特許を取得済である画期的な安全性、実績のあるコンポーネント、米国NRCで認証されたESBWRのライセンスベース、そして既存のライセンスされた燃料設計という組み合わせにより、GEHは10年間で革新的なカーボンフリーのベースロード電源を提供することができます。

さらにBWRX-300は、気候変動対応に加え、GEとOPGのパートナーシップにより、オンタリオ州とカナダに大きな経済的なメリットをもたらす可能性があります。オンタリオ州に本社を置くGEH SMRテクノロジーズ・カナダ(GEH SMRカナダ)は、これまでにBWRX-300のカナダ及び世界での展開をサポートするため、80名の高度な技能者の雇用を創出しました。

GEH SMRカナダのカントリーリーダーであるリサ・マクブライドは「BWRX-300チームの構築に伴い、オンタリオ州で多くの熟練した高所得の雇用を創出していく予定です」と述べています。

GEHが委託したPwCカナダによる独立したレポートによると、オンタリオ州におけるBWRX-300の初号機の建設と操業は、直接的な雇用創出に加え、約23億ドルの国内総生産(GDP)、19億ドルの労働所得、7億5千万ドルの連邦・州・市の税収を生み出すことが期待されています。

GEのカナダの原子力産業に対する支援は、1959年代初頭にさかのぼります。カナダ発の原子力発電所である実証炉(NPD)の建設を支援し、これがCANDU炉の基礎となりました。現在、GEHはカナダの複数の企業と提携し、BWRX-300の導入をサポートするサプライチェーンを構築しています。

BWRX-300への関心は世界中で高まっています。GEHはカナダに加えて、米国、ポーランド、エストニア、チェコの電力会社や企業と、この技術の導入を検討する契約を結んでいます。