2024年に石炭火力全廃へ 

石炭火力発電 廃止 イギリス

イギリスは、国内の石炭火力発電所を廃止する期限を1年間前倒し、2024年9月末とすることを発表した。

廃止に向けた直近の動きでは、フランスのエネルギー大手EDFエナジーが2021年3月、イングランド北部ノッティンガムシャーのウェスト・バートンA発電所を2022年9月末までに廃止することを発表。この廃止以降、国内の石炭火力発電所は同地域にあるドイツのエネルギー会社ユニパーのラトクリフ・オン・ソア発電所だけとなる。

イギリス政府はこれまで、既存の石炭火力発電所を2025年10月までに廃止する方針を打ち出していた。今回、2020年12月~2021年2月に意見公募を実施した上で、英国の炭鉱部門に与える影響は少ないと分析し、期限を1年間早めた。政府は、これを近く法制化する予定。同政策は発電用の石炭にのみ適用され、鉄鋼業など他の石炭消費者や国内の炭鉱には適用されない。

脱石炭火力発電

イギリスの電力部門では着実に低炭素化が進んできている。

  • 2012年 39.2% (総発電量に占めるイギリスの石炭火力の比率)
  • 2020年  1.8% (暫定値、総発電量に占めるイギリスの石炭火力の比率)

イギリスの2020年の年間総発電電力量に占める再生可能エネルギーの割合は43.1%(暫定値)で、これに原子力を加えた低炭素電力は59.3%となっている。

日本の脱石炭火力発電

参考値として日本の総発電量に占める石炭火力の比率は、

  • 震災前10年平均 24% 
  • 2019年 31.9% (2019年)
  • 2030年 19%  (エネルギー基本計画による電源構成)

イギリスの石炭火力発電全廃を例としたが、既に、海外の多くの先進国や自治体が 2030 年までに石炭火力発電の全廃を目標に定めており、企業や金融機関・投資家も脱石炭への方針転換を進めており、脱炭素への国際潮流は大きく広がっており、世界的に批判を浴びる日本の石炭火力温存も脱却しなければならない。

資源エネルギー庁が電力・ガス基本政策小委員会で配布した資料「石炭火力発電所一覧」(20年7月時点)「非効率石炭火力」114基の90%を廃止していくとの方針だ。ここで注意しなければいけないのは、今回廃止される対象となるであろう石炭火力発電所には、東日本大震災以降に急速に進んだ自由化の中で、新電力が建設したものも多くある。自由化された市場で、新電力自らが電源を保有することを奨励してきた政府の責任として、投資回収が終わっていないような発電所に関しては、どうしていくのかは補償措置も含め検討が必要だ。

出典:電気事業連合会 日本の電源構成