GXとは
グリーントランスフォーメーション(GX)とは?
グリーントランスフォーメーション(GX)とは、
- 温室効果ガスを発生させないグリーンエネルギーに転換することで脱炭素化社会を実現する。(カーボンニュートラル)
- 産業構造や社会経済を変革し、成長につなげること。
グリーントランスフォーメーション(Green Transformation)略称はGX。GはGreenの頭文字、Xは英語で「Trans」を略するときに使われる文字。
グリーントランスフォーメーション(GX)という概念が生まれた背景には、地球温暖化による脅威と、それを食い止めるための世界的な脱炭素機運の高まり、という2つの流れがある。具体的には、世界各国が環境問題対策を立て続けに発表していることがある。2020年12月には、EU理事会がデジタルトランスフォーメーション(DX)とGXを両立し、地球にやさしい最先端技術を用いながら環境保護と経済の発展を推進すると発表した。また、中国やアメリカも温室効果ガス排出量実質ゼロを目指すと明言しており、世界がグリーンエネルギーに転換する方向性を打ち出し、世界的な脱炭素機運が高ったことにある。現在では、EUやアメリカ、中国などの世界各国は地球温暖化対策は単なる環境問題ではなく、経済、外交、安全保障の中心になると考えており、すでに121ヶ国・1地域が2050年までにカーボンニュートラルを実現するとコミットしている。(中国は2060年ネットゼロ)
日本のグリーントランスフォーメーション(GX)戦略
日本はグリーントランスフォーメーション(GX)戦略として、2020年10月「2050年カーボンニュートラル」を発表した。その後、経済産業省は「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」を策定した。同戦略は「2050年カーボンニュートラル」目標を「経済と環境の好循環」につなげるための産業政策としている。
日本政府が掲げた「グリーン成長戦略」成長が期待される14分野の産業
- 洋上風力産業:風車本体・部品・浮体式洋上風力発電
- 燃料アンモニア産業:発電用バーナー(水素社会に向けた移行期の燃料)
- 水素産業:発電タービン・水素還元製鉄・運搬船、水電解装置
- 原子力産業:SMR(Small Modular Reactor:小型モジュール炉)・水素製造原子力
- 自動車・蓄電池産業:EV(電気自動車)・FCV(燃料電池自動車)・次世代電池
- 半導体・情報通信産業:データセンター・省エネ半導体(需要サイドの効率化)
- 船舶産業:燃料電池船・EV(電動推進)船・ガス燃料船など
- 物流・人流・土木インフラ産業:スマート交通・物流用ドローン・FC(燃料電池)建機
- 食料・農林水産業:スマート農業・高層建築物木造化・ブルーカーボン(海洋生態系に吸収される炭素)
- 航空機産業:ハイブリッド化・水素航空機
- カーボンリサイクル産業:二酸化炭素吸収コンクリート・バイオ燃料・プラスチック原料
- 住宅・建築物産業/次世代型太陽光産業(ペロブスカイト)
- 資源循環関連産業:バイオ素材・再生材・廃棄物発電
- ライフスタイル関連産業:地域の脱炭素化ビジネス
電力部門のグリーントランスフォーメーション(GX)戦略
電力部門でいうと、脱炭素化を大前提。再生可能エネルギーは最大限導入し、洋上風力・蓄電池産業を成長分野にする。水素発電も選択肢として最大限追求する。火力は必要最小限、使わざるを得ない。原子力は可能な限り依存度を低減しつつ引き続き最大限活用する、といった内容。
- 洋上風力 2040年までに最大4500万キロワット
- アンモニア 火力発電で燃料の20%に混ぜる。アンモニア混合燃料の火力発電所を30年までに展開
- 水素 50年導入量を2,000万トン程度
- 原子力 再稼働と次世代炉の開発
※電力需要は、産業・運輸・家庭部門の電化によって現状より30~50%増加する予想。