新電力ITパネイル 民事再生法適用を申請

パネイルの破綻は、エフパワー(F-POWER)のように電力小売事業が大きくなかったので、一般顧客へのインパクトは大きくなかった。

2016年4月に電力の小売が全面自由化されると、次世代型エネルギー流通基幹システム「パネイルクラウド」を手掛け小売事業に参入。AIを活用し効率的に電力調達や需給管理や料金請求ができるシステムであった。しかし2018年に電力卸取引所(JPEX)の価格の高騰にあおりを受け、パネイルはJPEXに左右される電力小売事業から事業方針を転換。電力小売事業を縮小し、パネイルクラウドなどを中心にプラットフォーム事業の拡大にかじを切っていた。

2018年東京電力HDの電力小売子会社「東電EP」との合弁会社「PinT(ピント)」を設立したが、すぐにパネイルの技術者(CTO)が合弁会社「PinT」へ移籍するなどのトラブルで裁判沙汰になっていた模様。

有望なユニコーン企業に見えていたのだが何があったのか。

以下、日本経済新聞の記事

新電力のパネイル(東京・中央)が東京地裁に民事再生法の適用を申請したことが19日分かった。負債総額は約60億円。主力の電力小売事業で安値受注を続け、収益が悪化していた。新たな電力管理システムの開発計画を打ち出し、大企業との提携にも乗り出していたが、実現できずに経営が行き詰まった。

複数の関係者によると、パネイルは2017年夏ごろから低価格路線にかじを切り、収益が悪化した。18年9月期には最終損益が26億円の赤字(17年9月期は2億8000万円の黒字)に転落していた。業績は低迷を続けていたもようだ。

銀行団は数十億円とみられる融資額の支払期限を延長し続けてきたが、パネイルが事業を展開するメドが立たなかった。

パネイルは12年に創業、16年から電力小売りを手がけてきた。同年の電力全面自由化を商機とみて電力調達を人工知能(AI)で管理するクラウドシステムの開発を目指し、18年には党きゅおう電力ホールディングス傘下の東京電力エナジーパートナー(EP)や丸紅子会社と、それぞれ共同出資会社を立ち上げた。

だがシステム開発は進まず、電力小売りも苦戦が続いた。20年11月末には希望退職を募って社員の大半がやめた。創業者の名越達彦社長を除く取締役も20年12月に退任した。今年1月の電力逼迫で卸電力市場の価格が高騰し、赤字幅の拡大を懸念して電力小売りも停止したようだ。

パネイルはこれまでベンチャーキャピタル(VC)などから約30億円を調達してきた。一時は有力なスタートアップとみられ、日本経済新聞社が18年に実施した「NEXTユニコーン調査」では、推計企業価値は801億円と全体の2位だった。