サウジアラビア未来都市 総費用55兆円、全電力を再エネに

サウジ55兆円で、全電力を再エネに!

サウジアラビアが、イスラエルやエジプトに近い北西部の紅海沿岸に、壮大な未来都市構想を描いている。人工知能(AI)などの最先端技術を駆使して世界経済の中心地を目指し、全ての消費電力を再生可能エネルギーで賄う-。総費用5000億ドル(約55兆3150億円)とされるプロジェクトの全貌はまだ明らかになっていない。

 開発中の都市名は、ラテン語の「新しい」と、「未来」を意味するアラビア語の頭文字を組み合わせた「NEOM(ネオム)」。実力者、ムハンマド皇太子が主導している。砂漠地帯に広がる2万6500平方キロの敷地を整備して国外からの投資を呼び込み、38万人の雇用創出を見込む。

皇太子は今年1月、NEOMに「車と車道がなく、二酸化炭素(CO2)排出量はゼロ」という人口100万人規模の街を建設すると新たに発表。世界最大級の産油国が環境政策に注力する姿勢を打ち出した。

 原油の需要低迷は続き、サウジでは原油に依存した経済からの脱却と高い失業率の改善が課題だ。NEOMの開発は産業多角化につながると期待され、2030年までの改革戦略「ビジョン2030」の中核でもある。

 国営メディアでは、サルマン国王と皇太子の動向を首都リヤドではなくNEOMから伝えることが増えている。昨年11月にはアラブ諸国と関係改善を進めるイスラエルのネタニヤフ首相が極秘訪問し、皇太子と面会したと報じられた。

一方、NEOMの整備状況の進展はほとんど明かされていない。17年に構想を発表し、翌年に皇太子の関与が指摘されたサウジ人記者殺害事件が発生、国外からの投資に響いた。新型コロナウイルスの感染拡大も重なり、25年までに開発の第1段階を終えるとした当初の予定が達成されるかどうかは不透明だ。

出典:(カイロ 共同)