日本の洋上風力発電の現状

洋上風力発電は、海外では急激にコスト低下が進み、大規模な開発も行われている。欧州における累計導入量は12GW(ギガワット)にも及んでいる。またEUは、「グリーンディール」に基づく洋上風力ロードマップを発表。97兆円を投じ、2030年までに60GW、50年までに300GWへ引き上げる予定だ。

日本においては、まだまだ実用化されているとは言い難く、ほとんどが実証実験段階にとどまっている。現在、日本の洋上風力発電の導入量は20MW(メガワット)に過ぎず、そのすべてが国の実証事業というのが現状だ。

しかし、民間の取り組みも少しずつ進んでおり、環境アセスメントの手続き段階にある案件は5400MWほど存在する。

出所:資源エネルギー庁

再エネ海域利用法

2018年12月7日に公布された新法「再エネ海域利用法」に基づき、経済産業省と国土交通省は2020年11月27日に洋上風力発電の促進区域に指定した千葉県銚子市沖の発電事業者の公募を始めた。2021年5月27日に締め切り、事業計画の審査や第三者委員会の評価を経て、21年10~11月ごろに事業者を選定する。運転開始はその数年後となる見通しだ。

公募は6月の長崎県五島市沖に次ぐ第2弾で、秋田県沖の3区域とともに始めた。銚子市沖を含む4区域は洋上風力発電を促進する再エネ海域利用法に基づき、7月に促進区域に指定された。

国や県、銚子・旭両市などの協議会が10月に開いた説明会には、公募への参加を検討する25社が参加した。同海域で洋上風力発電の実証実験を続けてきた東京電力ホールディングスとデンマーク企業の共同出資会社、中部電力と三菱商事子会社の連合など、複数の陣営が事業参画に意欲を示す。事業者は対象海域を最大30年間占有できる。

大規模開発で主力電源化

「再エネ海域利用法」によって、日本の洋上風力発電は大規模開発に向けて加速することになる。風力発電は大型であるほどコスト効率が高くなる。日本としては、洋上風力発電を、再生可能エネルギーの主力電源の1つに育てていく考えだ。