競争力ある再生可能エネルギーへの支援重点化 新成長戦略(経団連)

経団連は9日、独自の成長戦略を発表した。政府による2050年の温暖化ガス排出実質ゼロの目標を経済界も後押しする。次世代の蓄電池や安価な水素供給など、二酸化炭素の削減に役立つ技術開発を産官学で進める。金融機関にはイノベーションに取り組む企業への投融資を求めた。

政府には、再生可能エネルギーのコストを電気料金に上乗せする政策を見直すように求める。支援対象は屋根置き型の太陽光、大規模な洋上風力などに絞り込むべきだという。送配電網の増強も要請した。

以下、経団連が示した成長戦略(電力関連部分のみ抜粋)

競争力ある再生可能エネルギーへの支援重点化

再生可能エネルギーの利用を望む電力ユーザーが、リーズナブルなプレミアムの支払いによって再生可能エネルギーの価値にアクセス可能な市場環境の整備はきわめて重要である。ニーズの存在が再生可能エネルギーの導入拡大に資するのはもちろんのこと、投資家や取引先企業が再生可能エネルギー利用を求める動きも見られるようになっている。ESG重視のサプライチェーンから日本が切り離されないようにするためにも、安価な再生可能エネルギーが潤沢に供給されるよう、重点的な支援策を講じる必要がある。

2012年に再エネ特措法が施行されて以来、政府はあまねく再生可能エネルギーに漫然と政策的なプレミアムを上乗せする施策を講じてきた。しかし、その国民負担は既に年額2.4兆円まで膨らんでおり、到底持続可能とは言えない。また、政策補助を受けた電源が大量に市場に流入することで、卸電力市場価格が下落し、他の電源の投資回収の予見可能性にも悪影響を及ぼすようになりつつある。

こうした状況を踏まえれば、政府は、手広く再生可能エネルギー全般を支援する政策を抜本的に転換し、競争力ある再生可能エネルギーに支援を重点化すべきである。

競争力獲得が見込まれ、かつ大量導入のポテンシャルがある電源として、例えば、調整コスト込みでも価格競争力を有する屋根置き等の太陽光や、大規模洋上風力発電などが考えられる。こうした電源の導入拡大を念頭に、地域偏在性がある再生可能エネルギー導入を促進するための送配電網の更新・増強やその監視・制御技術の導入、あるいは部品やメンテナンス等のサプライチェーン確立といった環境整備面の支援を重点的に行うべきである。なお、再生可能エネルギー由来の電気であるという価値自体は、政策によるプレミアムの上乗せではなく、非化石価値取引市場等を通じて評価されることが原則となる。

同時に、事業者が将来に向けた投資を決断できるよう、国として、将来の市場規模、すなわち導入目標を示すことも重要である。事業者には、政府が提示する将来の導入目標を踏まえ、市場拡大を見据えた再生可能エネルギーの低コスト化への取り組みを加速していくことが期待される。

経済界としては、国際的なイニシアティブへの参加も含め、各社において野心的な非化石エネルギー・再生可能エネルギーの開発・利用目標を積極的に設定し、履行していく。

出典:新成長戦略(一般社団法人 日本経済団体連合会)