家庭の余剰太陽光を卸売市場で受託運用 エナリス(KDDI系)が実験

KDDIとJパワーが出資する電力管理支援のエナリス(東京・千代田)は、消費者が家庭の太陽光パネルでつくった電力を預かって市場で運用するサービスの実証実験を12月から始める。蓄電池にためておき、電力卸取引市場の値動きを見ながら販売する。消費者にとっては家庭で使い切れない電力の使い道として、電力会社への売却以外の選択肢ができる。

家庭の太陽光発電は電力会社が固定価格で買い取る「FIT」制度があるが、11月から順次、期限を迎える。期限後も電力会社などに売ることはできるが、1キロワット時あたり10円前後と単価は大幅に安くなる。

電力を資産として運用するエナリスの取り組みは全国でも珍しい。福島県の一部地域で疑似的な取引の実証を始め、事業の実用性などを判断していく。市場での販売で得た利益の一部を手数料として受け取る事業モデルだ。ただ、卸市場の価格は気象条件などで大きく変動する。消費者には、電力会社に販売する場合に比べ受取額が少なくなるリスクもある。

発電した電力は送電線に流すと他の電力に混じってしまい特定ができなくなる。エナリスはブロックチェーン(分散型台帳)技術を使うことで、預かった電力がどの家庭で発電されたのかを特定できるようにした。

太陽光は2012年にFITが導入されて以降、普及が急速に進んだ。エナリスは今後も増える家庭の太陽光を活用すべく、今回の実証に乗り出した。

出典:日本経済新聞